あらすじ:第1幕
(当時スイスはオーストリアのハプスブルク家に統治され、人々は行政官ジュスレルの圧政に苦しんでいた。)
13世紀のスイス、ルツェルン河畔。弓の名人テルの家の前。今日は村祭り、三組の結婚式が催される予定だ。婚礼の祝福をするために、村人に尊敬されている長老のメルクタールが息子のアルノールと山から降りてくる。アルノールはオーストリアの守備隊員だが、あるとき雪崩に遭ったハプスブルク家のマティルド王女を救い、それ以来二人は身分の差を超えて愛し合う秘密の間柄だった。それを知らない父のメルクタールは、結婚のそぶりを見せない息子アルノールを嘆く。狩の角笛が響き行政官ジュスレルが近づいてくる。アルノールはマティルド王女を想い、身を隠そうとするがテルに見つかる。テルはアルノールに祖国を救うために協力することを誓わせる。アルノールは恋と国家の狭間で悩む。やがて三組のカップルが現れメルクタールの式司で婚礼が始まる。遠くから再び角笛が聞こえ、アルノールはその場を抜けマティルドに会いに行くが、不審に思ったテルは彼の後を追う。婚礼は滞りなく進み、歌や踊りにつづき弓のコンテストが開かれ、テルの息子のジェミが見事優勝する。そこへ年老いた羊飼いのルートルドが息を切らして駆け込んでくる。ルートルドは娘がジュスレルの部下から犯されそうになったので、その兵士を殺して逃げてきたのだった。テルはルートルドを対岸へ逃すため急流に船を出す。ジェスレルの部下ロドルフが兵士を連れて現れる。ロドルフは犯人を逃がした男の名を問うが、村人は誰も答えない。兵士達は腹いせに長老メルクタールを連行する。
つづく
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