<第3幕>/ナポリの海辺の街
ナポリに逃れた皇太子アリョーシャと恋人のソーニャは、従僕のイワン、その妻マーシャと共に、平穏な楽しい日々を過ごしていた。ところがある日、アリョーシャの叔父である大公が現れる。アリョーシャ達を見つけ出した大公は、皇帝の崩御を伝え、国のために是非戻って来てほしいとアリョーシャに訴えた。断る彼にソーニャは言った。「私は充分幸せでした。今度は国民に幸せをもたらしてください」と。国への責任も考えていたアリョーシャは、国政が落ち着いたらまた自分の元へ来てほしいとソーニャに伝え、国へ戻る決心をする。ソーニャはその言葉に頷くが、勿論そんなことはできるはずもなく、彼女はアリョーシャとの永遠の別れを決意し、彼を送り出した。そんなソーニャの決意を知った大公は、心から彼女に感謝し、敬意の眼差しを向け去って行った。残されたソーニャは、2人で歌った想い出の曲<なぜ春に5月は一度しか来ないの Warum hat jeder Fruehling ach nur einen Mai>を口ずさみ、悲しみと虚しさに包まれる中、静かに幕がおりる。

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