序曲 
第1部では野蛮なるアブラマーヌの圧政に苦しむ人々の姿が描かれ、甘く優しいフレーズが希望の蘇りを表す。第2部はゾロアストルの慈悲の心地よさと圧政から解放される人々の快いイメージ。(初演版のスコアに記されたカユザックの文より)
第1幕 バクトリア王の庭園
バクトリア王フェレスが没し、厚遇されていた拝火教祖ゾロアストルは追放され、暗黒の神アリマンの大神官アブラマーヌが実権を握る。王位継承者である王女アメリートはゾロアストルを愛しているため、国王の座を狙って言い寄って来るアブラマーヌを拒絶する。復讐に燃えるアブラマーヌを神官のゾピールとナルバノールは「バクトリア王族のエリニス王女とともに王権を奪うのが得策です」と焚きつける。そこにエリニスが登場し「ゾロアストルへの叶わぬ愛を復讐心に変える」と歌う。ぬかりなく近づくアブラマーヌはエリニスに残酷な精霊達を操る魔力を与え、王座を奪おうと誓いあう。その頃ゾロアストルを失った悲しみに暮れるアメリートは「帰ってきて、愛があなたを呼んでいます」と歌い、アブラマーヌの圧政に虐げられている民を救いこの国を治めてほしいと嘆く。心配する侍女セフィーの気遣いも、アメリートの不安を拭う事は出来ない。そこにエリニスが現れ「地獄は死んでも続く!」と呪いの言葉を吐く。アメリートは神への祈りを捧げるが、エリニスの魔力に操られた闇の精霊達によって連れ去られる。
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