チェリビダッケの左手は色々なことを表しています。 まず、ファーストヴァイオリンの音色について。指先に集めて、もっとこねることにより、艶のある表情豊かな音色に仕上がります。 左手の親指と他の指を軽く擦り合わせ、あたかも指先でこねるようにすることがポイントです。 そしてもう一つ先月の項でもご紹介した、チェリビダッケの上がった眉に注目下さい。下のBの写真し比べてもチェリビダッケの眉が上がっていることがお分かりになるでしょう。 左手を眉間の所までもってくるともっと効果的です。
一番後ろの人を指揮する
指揮法の本に書いていない一番大切なことは、指揮者の姿勢です。 決まりはないのですが、例えばヴァイオリンのグループを指揮するとき一番後ろの人に向かってアウフタクトを与えるくらいの気持ちになることが大切です。 30名のヴァイオリン奏者全員に均等に糸を張るくらいの気持ちです。 指揮の姿勢について、私が一番参考になったのはスキーです。
これは私のスキーの写真(学生時代の)ですがスキーも大きく自分の回る方向を意識する、斜面全体を見渡す、リズム感が大切・・・いろいろ音楽と共通性があります。
指揮の秘伝インデックス
指揮はスポーツ
C ここでチェリビダッケのスピード感、それを作る上体の構え、絶妙のバランス感を見て下さい。 チェリビダッケの隠されたプライベートの生活、医師に禁止されていた大好物のチーズを食べ、サッカーの試合を見るのが一番の幸福の時間だったそうです。 そういえばサッカーのジーコやマラドーナのような超一流の選手は、チェリビダッケやカラヤンなど、指揮の巨匠と共通する点があるように思えます。 全体の流れを見きわめる、静と動、より大きい舞台で本領を発揮、ひらめき、わがまま・・・
チェリビダッケ指揮の秘伝はこれで終了です。
カラヤン指揮の秘伝はこちら。