佐々木教授のリンゴジュ−ス
医学雑誌に「食塩0の朝食」という小文を書いたことがあった。
自分の学説に忠実に生活するために食塩は出来るだけ少なくということで、その中で毎朝リンゴをベ−スにしたジュ−スを作って飲んでいることを紹介したのだが、これを飲んで「ゴルフ・ワンハ−フはできる」と書いたことがきいたのか、好評であった。それが「佐々木教授のリンゴジュ−ス」である。
食塩0の食事など可能かと思われる方が多いかと思われるが、それが可能なのである。すくなくとも食品分析表で計算するかぎり食塩は0になる。その秘けつは人が食塩を付け加えた食品を取らないことである。
食物それ自体天然に必須物である「塩類」は含まれている。人間に備わった能力によって、実際にはホルモンなどの作用によって体に大切な塩類を尿や汗の中に出さないように人間は出来ているのだ。逆な言い方をすれば、現実では人間が食物に付け加えた食塩(塩化ナトリウムは本当に人間が必要とする塩類の内のナトリウムは実に何十倍にもなっていて、体に余計なものだからその分は毎日尿に出しているのだ。
わが国ではほとんど食品にかなりの食塩が含まれているから食べるものがなくなって、かえって栄養のバランスがくずれてしまう恐れがあるから難しいが、それなりの工夫をすれば出来る。
「しょうがない」「味もそっけもない」「塩がなければ力がでない」「塩味がなければ食欲もわかない」といわれる人も多いと思われるが、日本に生まれ育ったことの宿命であろう。日本文化の中の食文化である。日本の伝統的食文化は高食塩食である。小さいときから高食塩食に慣れてしまって「慢性食塩中毒」になっているのではないかと思う。だから私は「食塩文化論」を述べたのだが、健康にとって問題があるとしたらその文化も見直さなければならないと思う。詳しい医学的事実は「食塩と健康」に書いた。
さて食塩0の朝食とはどんな献立であるか、一例を紹介しよう。
まず野菜ジュ−スである。
リンゴをベ−スに、にんじん、キャベツ、ピ−マン(こまかくちぎって水にさらすとよい)、そして完熟バナナ(安いとき買って、小さくして、冷凍庫に入れておくとよい)、レモン、それにキウイを入れてもよい。その他季節の果物、野菜なんでもよい。
水を加えてミキサ−にかける。氷あるいは冷凍バナナを入れるとよい。要は少し冷たいジュ−スのほうが飲みやすいと思う。
これをコップ一杯は飲む。二杯でもよい。
オ−トミ−ルは電子レンジを使えば簡単である。そば粉を加えることもある。精白していない米の粉が商品化されれば加えたいと思う。たまごの黄身にちょっと穴をあけ、レンジでチ−ンと半熟にして加える。出来上がったらそれにきなこ、蜂蜜を少々、ミルクを加えて食べる。
砂糖を入れないミルク入りコ−ヒ−を飲むこともある。
これで昼すぎまで十分である。
まず必要なミネラル、ビタミン、蛋白質は入っているし、食塩は計算上は0である。
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