保健婦、保健婦といわないで、保健婦さん、保健婦さんといいましょう。それは保健婦さんの仕事が世の中で重要だからであり、又保健婦さんが女性であるからです。
保健婦さんの仕事が重要であるとは、そう教育され、又そう思って毎日を送っておられるでしょうから、そうご自分が思うのは不思議はないのですが、広くいって世の中に、せまくいって青森県の、又、その中の市町村の保健婦さん達が、どんな大切な仕事をしているのかが、皆によく理解されているか、反省してみる必要があるのではないでしょうか。
前に「保健婦が地域の要求をみたすにはどうしたらよいか」というテ−マでもたれた討論会に講師でよばれたとき、私は「地域の要求をおこすためにどうしたらよいか」を考えるのが青森県では先だと述べたことがありましたが、今もその気持ちは変わっていません。
これは単に保健婦さんだけに対する苦言ではなく、同じ公衆衛生の道をあゆむ自分自身に対する反省でもあるのです。
”転ばぬ先の杖”から始まって、”一つの予防は百の治療にまさる”とか、”体を丈夫に”とか、”健康に気をつけて”とはとてもいいなれた言葉なのに、実際の生活にどれだけ生かされているでしょうか。世の中が進歩し、医学も進み、われわれが恩恵をうけてよい事柄はもっと多くてよいはずだと思います。
健康とかあるいは医療の概念も非常に広く解釈される世の中になってきていますが、その時代になってもう一度自分の仕事の価値なり意義を自分自身反省し、それに自信をもち、それを相手になっとくさせてゆくことが必要だと思います。