「論文ねつぞう問題」に思う

 

 韓国KBS放送によるとソウル大学の調査委員会によって「ES細胞すべて捏造」であるとのことである。

 今話題の「論文ねつぞう問題」である。

 「1997年2月27日付のNature誌に、体細胞の移植によって 子羊が得られたことがWilmut らによって報告されて以来、クロ−ン研究が多くのマスメデイヤによって報道され、多大な関心を集めている」問題のつづきの問題である。

 この報告は「ドリ−」の名前とともに記憶にあるのだが、この報告のあと「この原稿をフロピイ−に入れている今朝(平成9年6月10日)のニュ−スを聞いていたら、「クロ−ンの子供提供」とインタ−ネット上でPRしているという。ワシントン7日付けには「人間複製は法で禁止 人細胞にクロ−ン実験の基礎研究を容認」とあったが、人の考えることは「いたちごっこ」である、・・・・「その中で健全な健康情報はどこへゆくのか」と書いたことがあった。

 クロ−ン技術は生物学上画期的な技術と思われるが、獣医学の中では家畜産業とむすびついて歴史は古いようである。 

 「ドリ−」についでわが国でも多くの症例が報告され、今回の報告でも「犬」はクロ−ン技術によって作成されたと言われている。

 医学の研究の中でも「胚(はい)性幹細胞(ES細胞)」の研究は今世の脚光をあびている研究に見える。だだ「人間」のことになると、世にいう「倫理問題」とからまって、事情は複雑である。

 「生殖医学研究」の現状はどうであって、どのようになっているかはちっとも知らない老人のひとりごとと聞き流してもらいたいのだが、人間も動物と基本的には違いはないのだからいつかTVにもでていた「クロ−ン人間」はどこかで誕生しているのであろうか。

 人間のES細胞がクロ−ン技術によって世界に先駆けて作成したというのだからニュ−スになったのであろう。おまけに韓国政治と関わりがあるようで、委員会などつくって「論文はねつぞう」と報告したのではないか。

 TVやラジオで「なになに教授の報告によれば」はよくいわれる言葉である。

 中には「今学会に報告されています」という。それがどんな意味をもっている言葉なのか、「先生」といわれる方はどう思っているのであろうかと思う。

 自分の研究についての自信、思いこみ、あるいは今回のような「ねつぞう」であるのか。

 大学の教授で飯をたべてきた身にとっては他人ごとではない。

 今世紀最大の研究ともてはやされた物理学上の研究報告がどうやら「ねつぞう」であるらしいというTVがあった記憶がある。

 今回のことが「どうして!」ということはまだわからない。(20060113)

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