【あらすじ】
「ユニテル版DVD/1974年」による
時と所:19世紀初め・ハンガリー、ルーマニア
<第1幕>第1場/ドラゴティン邸
今日は大地主ドラゴティンの娘ゾリカの、婚約パーティー当日。けれど朝から肝心の娘の姿が見えないので、父親のドラゴティンは落ち着かない。それというのも、ゾリカはドラゴティンが再婚を考えている、資産家の未亡人イローナを快く思っていないからだ。実際ゾリカは、父親が自分を早く結婚させたいのは、再婚の邪魔になるからでは…と疑っていた。その日も一人川へ行き、心の悩みを川の精ツェルナに相談していた。ゾリカはそこで一人のロマ(ジプシー)のヴァイオリン弾きヨッシィと出会い、彼の自由な生き方と、ヴァイオリンの音色に魅かれ、今日の婚約パーティーに是非演奏にきてほしいと頼んだ。家に帰ったゾリカは、パーティーの支度はするものの、乳母ユルスカやお祝いに駆け付けた従姉妹のヨーランに、結婚を迷っていると打ち明け、一人にしてと頼む。するとどこからかロマの女占い師が現れ、ゾリカの手相を見てこう言った。「束縛か自由、どちらを選ぶかはあなた次第..」と。女はすぐにドラゴティンに見つかり追い出される。その後ゾリカは、婚約の儀式である花束交換に向かうが、川の上に架かる橋から、婚約者のヨーネルに渡すはずの花束を川へと投げ入れてしまう。驚く皆をよそに、ゾリカはヨーネルに自分の心が決まらないことを打ち明ける。ヨーネルを愛しているはずなのに、自分の本当の心が分からないのだ。元オペレッタの未亡人イローナが、<私も若い頃は気持が揺らいでいた>と歌った。
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