第3幕
 ナイル河畔のイシスの神殿の前。美しい月夜で、ランフィスとアムネリスが、婚礼を前にして祈りを捧げるために、神殿の中に従者を従えて入る。アイーダが現れ、ラダメスとの逢引を待つあいだ、故郷に思いを馳せ、アリア「おお、我が故郷」を歌う。すると突然木陰からアモナスロが出て来て、ラダメスからエジプト軍の進路を聞き出すよう命じる。彼女は最初激しく拒絶するが、親子の情にほだされて承知してしまう。アモナスロは再び木陰に隠れ、入れ替わりにラダメスがあらわれる。アイーダは彼によそよそしい態度で接し、婚礼を控えたあなたが何をしに来たのかとあしらう。彼はそれに答えて、愛しているのはアイーダ唯一人だと宣言する。それでは2人で逃げてと、アイーダは強く迫り、エジプト軍が駐在する道は避けなければならないが、それはどこだろうと訊ねると、ラダメスはついナパタの谷と喋ってしまう。アイーダの誘導尋問に引っかかったとたん、アモナスロが姿を現して、自分こそアイーダの父親でエチオピアの国王だと名乗り、軍事機密を確かに聞き出したというので、ラダメスは情報を洩らしたことを激しく後悔する。そのとき神殿の方から「裏切り者」の叫び声があり、ランフィスとアムネリスが、従者とともに飛び出してくる。ラダメスはアイーダとアモナスロを逃がし、ランフィスに剣を捧げ、従容として縛につく。
(C) 出谷 啓
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