第3幕
第1場/魔の森
ウバルトの説得を聞き、決意を新たにしたリナルドはアルミーダの魔の森に来ていた。魔法と異教徒による邪悪な力を終わらせるために、永遠の命を持つというミルテの木を探し出し、切り倒さなければならないのだ。森を行くリナルドはやがて甘い香りに惑わされる。浮気でいたずらな精霊がリナルドに付きまとい、ゼルミーラが現れると「敵ではなく、恋人として、愛するアルミーダの元に帰りなさい」と歌う。しかしリナルドは意思を強く持ち、ミルテの木を探し出す。そしてリナルドが斧を振り下ろそうとしたその時、神々しい魅力を放つアルミーダがミルテの木から現れる。彼女は「切らないで下さい、憐れみを持って下さい」と歌い、リナルドに昔の想いを蘇らせようとする。リナルドは「天よ、むごい再会よ!」と叫び、アルミーダの願いを拒絶する。すると辺りは闇に包まれ、アルミーダは地獄の怒りを呼び起こし、リナルドがミルテを切らないように邪魔をする。次第にリナルドは自分の力が意のままにならなくなっていく。しかし彼はついに自分を取り戻し、ミルテを切り倒す。すると魔の森はたちどころに消えてしまう。
第2場/十字軍の野営地
リナルドは野営地で平静を取り戻し、異教徒との戦いに備えていた。するとアルミーダが再び現れ、最後の復讐を誓う。アルミーダは地獄の馬車を呼び、リナルドの悲惨な最後を予言する。リナルドは、愛が深いが故に憎しみに駆られるアルミーダを憐れみ、またしても心が揺れるのである。ウバルトは「出撃のラッパはすでに響く!」とリナルドを叱咤する。リナルドは迷いながら「アルミーダよ、我が人生よ、お別れです」と告げ、アルミーダは「悪魔の行い!」と呪いを口にする。全員で「過酷な運命よ、辛い別れ!」と歌い幕となる。

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