【あらすじ】
時と所:1200年 イングランド
第1幕 エグベルト邸
十字軍の兵士であるアロルドは、故国イングランドに帰国したが、喜んでくれるはずの妻ミーナの様子がおかしい。ミーナの父エグベルトの城での帰国祝賀会の最中、アロルドは隣の部屋で一人浮かない顔をしているミーナを心配して理由を尋ねた。妻ミーナの指には、あるはずの結婚指輪もなかったのだ。しかしそこへアロルドの友人ブリアーノがアロルドを呼びにきたので、アロルドは理由を聞けぬまま部屋を後にした。ミーナは一人になると自分の犯した罪を懺悔する。実は夫のアロルドのいない間、彼女はゴドヴィーノという兵士と不貞を働いていたのだ。ミーナの従姉妹のエレナが「誰か隠れて逢引をしている者がいる」と、夫アロルドの前で話した時には、ミーナは生きた心地がしなかった。罪の意識に苛まれたミーナは、意を決して全てを夫に告白しようと、夫宛てに手紙を書いた。ところがミーナの父エグベルトに見つかり、手紙を取り上げられてしまった。エグベルトは、自分の娘が不貞を働いていたという忌わしい事実を、アロルドの名誉のためにも何とか隠し通そうと決心する。その頃ミーナの浮気相手のゴドヴィーノは、いつものように書籍のある部屋の鍵付きの本の間に、ミーナへの手紙を隠していた。2人はこうしてこっそりと手紙のやり取りをしていたのだ。ところがこの時、たまたま通りかかったアロルドの友人ブリアーノに、それを見られてしまう。ただブリアーノはその人物を、背格好の似たミーナの従兄弟エンリーコと勘違いし、アロルドにそう伝える。手紙を不審に思ったアロルドは、ミーナや彼女の父エグベルトの前で本の鍵を壊し、手紙を手に取るが、父エグベルトは「他人の手紙は見るべきではない」と言って、それを奪い破いてしまう。
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