【あらすじ】
時と所:1418年・ミラノ近郊
第1幕
第1場/ビナスコ城の一室
ミラノ公のフィリッポは、今の地位を手に入れるためだけにベアトリーチェ(テンダ領主の娘で前王ファチーノの未亡人)と結婚したが、家臣たちに「そろそろ公妃と別れて、本当に好きな女官のアニェーゼと一緒になっては」と勧められていた。
第2場/アニェーゼの部屋
一方フィリッポ公が想いを寄せる女官のアニェーゼは、フィリッポではなく若い貴族のオロムべッロに夢中。そこである時アニェーゼはオロムべッロを手紙で呼び出したが、彼は差出人のない手紙を愛する公妃ベアトリーチェからの物だと勘違いし、アニェーゼの囁く愛の言葉もベアトリーチェからの伝言だと思う。彼の心が自分にないことに気付いたアニェーゼは、今度は彼が憎くて堪らなくなった。
第3場/城近くの森の中
夫が最近自分に冷たいと嘆くベアトリーチェを、侍女たちが慰めている。皆が立ち去った後、フィリッポ公がやって来て腹心であるリッツァルドに「公妃が不貞を働いているようだ」と言うと、現れたベアトリーチェに「お前は不貞を働いた上に陰謀まで企んでいる!」と、証拠と思しき手紙を突き付ける。手紙はベアトリーチェの前夫ファチーノの残兵である反乱軍から、公妃に宛てた物だった。これはフィリッポにとって公妃と離婚できる格好のチャンスとなった。身に覚えのない彼女は法廷で疑いを晴らそうと、裁判に望みを託す。
第4場/城内の一室
ベアトリーチェが前夫の像に向かい自分の不運を嘆いているところへ、彼女を救うために兵を集めたオロムべッロがやって来た。援助を断るベアトリーチェの前に跪いたオロムべッロが愛を告白するので、ベアトリーチェは困惑する。そこへ運悪くフィリッポ公が現れ、その様子を見て激昂すると二人を不貞の罪で捕えてしまう。城内には助けを求めるベアトリーチェの叫び声が響き渡るが、彼女を救う者は誰一人いなかった。
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