<第2幕>
カルディヤックの作業場
カルディヤックは娘に店の留守番を頼み、金商人と共に金塊を仕入れに出掛けた。この金商人は密かにカルディヤックが殺人犯ではないかと疑っていた。この日、娘は、父のいぬ間に恋人の士官と駆け落ちをする約束をしていたが、いざ士官が迎えに来ると「やはり父親を見捨てることは出来ない」と言い、士官を怒らせてしまう。ところが士官が立ち去った後、帰って来たカルディヤックに娘が「私結婚してもいい?」と聞くと、彼は「誰とでもするといい」と答えるので、娘は「私は必要のない人間なのかしら…」と胸を痛めその場を去った。
実はカルディヤックは病的に自分の作品を愛していて、それ以外には何も興味を示さない程執着していた。ある日、王が店にある金細工を求めやって来たが、王を殺すことは出来ないと思い、売るのを断った程だ。娘の恋人である士官は、カルディヤックのその異常さに気付き、彼が騎士を殺して取り返した金細工のベルトを「私から娘さんへのプレゼントにしたい!」と無理やり購入して帰った。カルディヤックは「娘の恋人は殺せない…」と代わりの作品を作ろうとするが、どうしてもあの美しいベルトを取り返したいとの欲求に駆られ「月光が輝くならば Mag Mondlicht leuchten」と歌うと、覆面を被り作業場を後にした。
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