第2幕 第1場
ラグノーの料理店
翌朝。貧乏な詩人たちを相手に今日もラグノーは自作の詩を読み上げ自分に酔っている。妻リーズは、そんな亭主に愛想を尽かし店の常連の軍人と怪しい関係になっている様子。落ち着かない気分で現れたシラノは、ロクサーヌの来訪を待ちわび、自らの思いを手紙にしている。ラグノーが気を利かせて人払いをしたところにロクサーヌが現れ、神妙に打ち明け話を始める。シラノは自分への告白と勘違いし耳を傾けるが、彼女が恋しているのは美男の子爵クリスチャンだった。シラノが属する荒くれ者の青年隊に入隊するはすのクリスチャンと仲良くし、守ってあげて欲しいと頼むロクサーヌ。シラノは辛い心を隠して彼女の申し出を引き受ける。
そこヘカルボン隊長と青年隊の一同が昨夜のネール門での大立ち回りの話しを聞きに集まってくる。ギーシュ伯爵も、昨夜の活躍を聞いたガシオン元帥の称賛を伝えに来る。荒くれ者の青年隊の面々を見て「この連中は?」と問う伯爵に、シラノは「これぞガスコンの青年隊」と勇ましく歌う。その見事さに、伯爵はぜひ自分のお抱え詩人になれと命じるが、シラノはつっぱねる。面目を失くした伯爵は憮然と立ち去る。そこに新入りのクリスチャンが現れ、隊長カルボンの忠告も無視し、昨夜の武勇伝を語るシラノに禁句である「鼻」を連発、勝負を挑む。しかしロクサーヌとの約束があるシラノは、必死に堪える。仲間を追い出し、クリスチャンと二人きりになったシラノはロクサーヌの気持ちを伝え、手紙を書くようにと進めるが、文才のないクリステャンは途方に暮れる。そこで、シラノは「君の美貌と俺の文才でロクサーヌの心を得よう」と恋のキューピット役を請け負う。
第2幕 第2場へ
オペラ名曲辞典TOP