第2幕 客人
 シルヴァ城の大広間。エルヴィラとシルヴァの結婚の祝宴の最中に、一人の巡礼が訪ねて来る。シルヴァはしきたりに従って、彼を丁重に客人として迎える。エルヴィラを花嫁として巡礼に紹介すると、男は巡礼の衣装をかなぐり捨てて、エルナーニがその正体をあらわす。だがシルヴァは客人はすべて兄弟といって、彼を守るために城の警護を固めるように命じて去る。
 2人だけになったエルヴィラに、エルナーニは彼女の不実を責めるが、いよいよのときは祭壇で自殺するつもりだったと、短剣を取り出して見せるので、エルナーニも誤解を解いて、お互い2人は強く抱擁し合う。戻って来たシルヴァは、抱き合っている2人を見て怒るが、そのとき王の来訪が告げられる。シルヴァは復讐は後だと、エルナーニを秘密の隠し扉にかくまってやる。やって来た王はエルナーニがこの城に潜んでいるはずだから、彼を引き渡せと命ずるが、シルヴァはそれに応じようとはしない。王は城中を部下の兵士たちに探させるが、発見出来なかったので、代わりに人質としてエルヴィラを連れて立ち去る。再び秘密の扉から姿をあらわしたエルナーニに、シルヴァに決闘の続きを迫るが、ことの成り行きを聞いたエルナーニは、自分の角笛を差し出して、その音を聞いたときエルナーニは死ぬといい、シルヴァとともに王に復讐することを誓う。
(C)出谷 啓
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