【あらすじ】
時と所:1720年代・ジェロルスティン国(架空)
第1幕/ジェロルスティン国の野営地
 野営地では明日の出征を前に、兵士たちが村人たちと酒を交わしながら陽気に歌っている。しかし村娘のヴァンダは、恋人フリッツの出征を一人悲しんでいる。そこへ将軍のブン大将がやって来る。ブン大将は、呼びつけた兵士のフリッツに、「将軍はヴァンダという娘を口説いていたようですが、彼女は将軍よりも兵士の方がお好みのようですよ!」と言われ、すっかり気分を害し、腹いせにフリッツに要所の見張り役を命じると、その場を去って行った。
 そこへこの国の女大公殿下が閲兵にやってきた。彼女は<ああ!私は軍人さんが大好き Ah! Que j'aime les militaires >と歌うと、早速ハンサムな見張り役フリッツを見つけて一目惚れする。そしてフリッツの気を引くために、なんと彼を一兵士から何階級も上の大尉に昇格させる。フリッツが大尉の制服に着替え退場すると、入れ替わりに女大公殿下の婚約者であるポール殿下が現れる。ポール殿下は女大公殿下に何度も結婚式を延期されていて、これでは世間の笑い者だと嘆く。
 作戦会議となり、先ほど大尉に昇格したばかりのフリッツも加わる。しかしフリッツは、ブン大将の作戦に異論を唱え、ブン大将を怒らせてしまう。すると女大公殿下は、フリッツをブン大将より上の総司令官に任命する。これにはブン大将もすっかり腹を立て、何とかフリッツに復讐できないものかと熱り立つ。ブン大将の怒りを他所に、フリッツは意気揚々と戦地へ向かうのだった。
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