第2幕/女大公殿下の宮廷
 宮廷の侍女たちは、各々戦地から届く手紙を読んでは、愛しい恋人に想いを馳せている。女大公殿下も、フリッツが戦に勝利したという知らせを受け、彼の帰りを心待ちにしている。勿論すっかり立場をなくしたブン大将や、女大公殿下の婚約者であるポール殿下には面白くない知らせだ。帰還したフリッツから戦地での報告を聞いた後、女大公殿下は皆を下がらせると、フリッツに自分の想いを伝えようとする。しかし彼女は宮廷特有の遠回しな言い方しかできず、鈍いフリッツには真意が伝わらない。そしてもどかしい状態のまま、女大公殿下は警察長官に呼ばれ退室し、フリッツも自分の宿舎に戻っていった。
 そこへフリッツへの復讐を企むブン大将とポール殿下、更には話に加わった女大公殿下の元家庭教師、ピュック男爵がやってくる。3人はフリッツのいる宿舎に秘密通路と密会場所があることを知り、そこを何とか使えないかと策略を巡らせる。その場所は何代か前の妃殿下が、浮気相手との情事に使っていたのだが、ある日男の方はそこで暗殺されたという。
 その時物音がして、3人の元に女大公殿下が姿を現す。慌てふためく3人に対し、女大公殿下は、「裏切り者のフリッツが、村娘のヴァンダと結婚してしまう。私もその陰謀に力を貸しましょう!」と言う。
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