第1幕
[第1場]
宮殿の広場
人々が集まり、2ヵ月前に逝去した前王の妃ガ一トルードが、前王の弟で現在の王クローディアスと結婚し、再び王妃となることを祝っている。王が現れ、デンマーク国民に対する忠誠を誓い、ガ一トルードの頭に冠を置く。王妃は王子ハムレットが姿を見せないので不安を覚える。戴冠が終わり、宮廷の人々は王、王妃とともに退場する。奥からハムレットが一人現れる。彼は父の死後2ヵ月というのに母が叔父と結婚することに悩んでいる。そこに恋人オフィーリアが現れ、彼の悩みを和らげようと優しく慰める。ハムレットは彼女の純粋な愛に唯一の生きがいを感じ、彼女への永遠の愛を誓い、彼女と共にこの国を離れて遠くに行こうという。2人が高らかに愛の2重唱を歌い上げた時、オフィーリアの兄レアティーズが現れ、王の命令で今夕にもノルウェーに向けて出発しなければならなくなったと告げ、妹のことをよろしく頼むとオフィーリアをハムレットに託し、アリアを歌う。遠くから祝宴の始まる音が聞こえ、人々が現れ始める。オフィーリアはハムレットを祝宴に誘うが、彼はそれを断り、立ち去る。オフィーリアは祝宴に、レアティーズは旅へと向かう。宮廷の人々が現れ合唱する。
廷臣のマーセラスとホレーショが現れ、王子ハムレットは、と尋ねる。人々がなぜ王子を捜すのかと問うと、2人は昨夜城壁の上で、先代の王の亡霊を見たのだと小声で言い、そのことを王子に告げなければと言い立ち去る。
[第2場] 
城が奥に見える空地、月が雲間に見え隠れしている
マーセラスとホレーショが前王の亡霊が現れるのを待ちながら空地にやってくる。そこに現われたハムレットに実は昨夜ここで前王の亡霊を見たのだと話す。それを聞いて激しく動揺するハムレットに2人の親友はさらに王の亡霊は夜中に3度現れ、鶏が鳴くと姿を消したと話す。ハムレットが何も話さなかったのかと聞くと、マーセラスは言葉は発せられなかったと答える。ハムレットは父上の亡霊は必ず戻ってこられようと、そこに待つ。その時、真夜中の鐘が鳴り、奥の方が薄明るくなり前王の亡霊が現れる。ハムレットが父上よなぜ黄泉の国から戻られたのかと問うと、亡霊はホレーショとマーセラスに遠のくようにと手振りで示す。ハムレットが、心配する親友を遠ざけると、亡霊は弟がハムレットの母と不倫をし、自分が寝ているときに耳に毒薬を注ぎ、暗殺したのだ語る。その時、王城から祝宴の音が聞こえてくる。亡霊は汚れた王城の主を殺せと命じ、しかし汝の母には危害を加えるな、彼女には天が処罰するであろうと告げ、消えていく。ハムレットは必ず復讐を果たすと亡霊に誓う。
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