第2幕
[第1場]
王宮の庭
オフィーリアは最近ハムレットがほとんど彼女に声も掛けず、全く彼女を忘れたかのようにしているので、不安でならない。その心配を紛らわそうとオフィーリアは本を読み始める。アリアくさらば、僕を信じて、と彼は言って〉。遠くにハムレットの姿が見えるので、オフィーリアは側に来てくれるかと期待しながら、本を読み続けるが、彼は姿を消してしまう。オフィーリアは恋人を失ったことを嘆き、長大なアリアを歌い終わる。そこに王妃が現れ、オフィーリアの悩む様子にどうしたのかと尋ねる。彼女はハムレットがもはや自分を愛していないので、王宮を去り、どこか遠くに身を隠したいと言う。王妃はそれは早まっている、実は自分も最近の王子の様子がおかしいのに気がついたが、それを正気に戻せるのはオフィーリアの愛だけなので、王宮にとどまるようにと言う。オフィーリアは王妃の言葉に従うことを約束して立ち去る。
そこに王が登場し、ハムレットの不可解な行動を怪しみ、もしや真相を知ったのではないかと王妃と話す。そこヘハムレットが来るので、王は話を中断する。ハムレットは王に王宮でパントマイムを上演してよいかと、許可を求める。王はそれを許可し王妃とともに立ち去る。そこヘマーセラスたちがコメディアンらの一座を連れて現れる。ハムレットは皆に酒を振る舞い、歌う。 <酒は悲しみを忘れさす>。
[第2場]王宮の大広間、仮舞台がしつらえてある
王、王妃をはじめとして宮廷の人々が次々と登場する。ハムレットはオフィーリアの足もとに座り、パントマイムが始まる。ハムレットはこの劇は老王ゴンザーガとその妻ジュネーブの物語と説明するが、それが前王と王妃であることが一目瞭然な衣装を着ており、その老王を弟が毒殺する場面を演じさせる。その時王は動揺し、芝居を止めよと命じ、芝居の幕はすぐに降ろされる。ハムレットはその時狂気を装い、王の前に立ちはだかり、汝こそ父を殺害した罪人である、父の復讐はなされなければならぬと叫び、王の頭から王冠をはね飛ばす。王は余りの侮辱に愕然とするが、ハムレットを狂人と決めつけ憤然と立ち上がる。人々は驚いてどうしたことかと騒ぎ、ハムレットは狂人のように笑い、大混乱のうちに幕となる。

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