【あらすじ】
時と所:ノルマンディ地方(フランス)の田舎町・時代設定は特に表記なし
全1幕
第1場/男の子の家
男の子は宿題をしなければならないのに、なかなかやる気になれない。部屋の中で一人遊ぶことばかり考えていると、母親がやってきて彼のやる気のなさを叱る。そしてせっかくのおやつも、罰として砂糖抜きの紅茶や何も塗っていないパンを置いていくので、男の子はすっかり機嫌を損ね暴れ出した。部屋の中の物を手当たり次第に壊して回り、ペットの猫やリスに悪戯をする..。ようやく気が済み、肘掛椅子に座ろうとすると、何故だか肘掛椅子が動き出し座れない。椅子は「こんな悪い子は座らせてやらない!」と言って、側にある安楽椅子にダンスを申し込み踊り出す。そのうち他の家具たちも次々と動き出した。男の子に振子を外された大時計は、振子がない!と嘆いて鳴り続け、投げ付けられて壊されたティーポットや茶碗は、男の子を蹴る。日が落ち夕方になり、男の子が暖炉の火に当たろうとすると、散々灰を掻き回された暖炉の炎は「悪い子は当たらせない!お前を燃やしてやる!」と灰と共に男の子を追いかける。壁では破かれた壁紙の中の羊飼いの少年と少女が、別れ別れになってしまったことを嘆き、床に散らばった本の中のお姫様は、本を破られたせいで魔法使いに呪いをかけられたと訴える。男の子は王子様の代わりにお姫様を助けようと、破れたお姫様の本の続きを慌てて探すが、見当たるのは大嫌いな算数の本ばかり。イライラしてその本を踏み付けると、中から小人の老人が現れて、数字たちと共にメチャクチャな計算問題を出しながら踊り出した。踊りの輪に巻き込まれた男の子は、足が絡んで倒れてしまう。そこへ尻尾を引っ張られた黒猫がやってきて、男の子の髪にじゃれつき、後からやってきた白猫と愛の歌を歌い出す。2匹はニャーニャーニャーニャーと発情期の歌をがなり立てながら庭へと出ていき、男の子もつられて後を追う。
第2場へ
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