第4幕 ラホールの宮殿
シタは夜を怖れ「アリム様亡きあと護ってくれる人もない」と嘆いている。そこにティムールが現れシンディアとの婚礼を知らせに来る。そして絶望するシタを必ず助け出すと励ます。その頃、宮殿前の道で目覚めたアリムは、ぼろ衣を纏いながらも命が戻ったことに感謝する。朝が訪れ、町はシンディアの戴冠式準備に沸いている。アリムは「もう王ではないが恋人として戻って来た!」と歌い、陰から様子を窺う。シンディアとティムールが登場し戴冠式が行われ、民衆は新しい王を「地上における王の中の王!」と褒め称える。シンディアは「ラホールの脅威に屈しスルタンも砂漠へ去った。」と告げ、「ついにシタは私のもの、魅了しておくれ」と愛を歌う。その時潜んでいたアリムが躍り出る。人々は怖れ慄き「奇跡だ、アリム王に瓜二つ!」と歌い、ティムールさえも動揺する。シンディアは「神が復讐の亡霊をよこしたか!」と凍りつく。アリムは「王座などに用は無い、シタを返すのだ!」と迫り、シンディアの冠を奪い取る。居合わせた人々は「神から啓示を受けられた方!」とアリムに跪く。シンディアは「慈悲はならぬ、捕えろ!」と叫ぶが従う者は無い。そこに婚礼衣装に身を包んだシタがやって来るのを見たアリムは「ああ、再会できる!」と歌う。
第5幕へ
オペラ名曲辞典TOP