第2幕/ギャルドゥフーの屋敷
観光案内人になりすましたギャルドゥフーは、男爵夫妻をホテルと偽り自分の屋敷へ案内した。彼は美しい男爵夫人を口説こうと計り、夫婦を別々の部屋へ案内するが、男爵はこれを受け入れる。実は男爵は、友人からパリの高級娼婦を紹介されており、彼女とのアバンチュールを楽しむためには、その方が好都合だったのだ。男爵は早速ギャルドゥフーにその娼婦を知らないかと尋ねる。彼女の名はメテラ...。彼は勿論会えますと答え、男爵は大喜び。厳しい家柄で、若い頃から女遊びひとつしたことのなかった男爵にとって、パリでのこの大イベントはどうしても外せないものだった。そこへギャルドゥフーの友人ボビネがやって来た。ボビネは戻って行った伯爵夫人の所で大金をせがまれ、すごすごと引き返して来たのだ。彼はギャルドゥフーの悪巧みを聞くと自分も協力すると言い、次の日晩餐会を開く会場に、叔母の留守宅を提供すると言った。取りあえず今夜の夕食会にも偽の客が必要なので、ギャルドゥフーは出入りの靴屋や手袋屋に友達を連れてくるよう頼む。するとそこへかつての恋人メテラが現れる。彼女は駅でのことをギャルドゥフーに謝ろうとやって来たのだが、彼は今男爵夫人を口説き落とすことで頭がいっぱい。メテラに男爵から預かった紹介状を渡すと、その場を立ち去ってしまった。メテラは男爵の友人が書いたその紹介状に目をやると、男爵の部屋へ行き、「それでは数日後にお会い致しましょう」と約束して帰った。その晩の夕食会には軍人に扮した靴屋のフリック、大佐未亡人に扮した手袋屋のガブリエル、そしてその友人達がやってきて男爵を迎えた。男爵はどう見てもこれは一流の客ではないと気付き、ギャルドゥフーに文句を言うが、ギャルドゥフーは「いただいた金額ではこれが精一杯。」と涼しい顔でこれを切り抜けた。
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