第3幕 第1場/宮殿の舞踏会会場
 ロスシー公爵がキャサリンの登場を今か今かと待っている所へ、漸く仮面を着けた彼女が現れる。ロスシーは大喜びで彼女を部屋へ誘い仮面を取るよう言うが、キャサリンに扮したマブは、正体がばれては大変と「灯りが消えてからでないと外せませんわ…」とこれを拒んだ。一方宮殿に駆け付けたヘンリーは、舞踏会会場にロスシーとキャサリンの姿が見えないことに絶望し、がっくりとその場に膝を付いた。
第2場/夜明けの宮殿
 ショックを受けたヘンリーが、その場を立ち去れないまま夜が明けた。ロスシー公爵が現れ、昨夜のお楽しみを侍従に話している。そこへ手袋職人のサイモンが、娘のキャサリンと共に現れ「お得意様である公爵様に、ヘンリーと娘の結婚の御報告に来ました」と告げるので、ヘンリーは驚き「昨夜ここへ泊り僕を裏切っておいて、一体どういうつもりだ!」とキャサリンを責める。さっぱり事態の呑み込めないキャサリンは、必死で身の潔白を訴えるが、マブが鍛冶屋から持って来た花のブローチを見付けたヘンリーは、益々キャサリンを疑う。その上、昨晩の相手がキャサリンだと信じ込んでいるロスシーも「分かった。昨夜のことは二人だけの秘密にしよう」などと、キャサリンに囁く。キャサリンは父サイモンに救いを求めるが、結局ヘンリーは最後まで彼女を信じず去って行った。キャサリンは自分の身の潔白を証明するにはもう死しか残っていないと、その場に泣き崩れる。
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