第3幕 アルフィーズの宮廷
アルフィーズはボレの恐ろしい幻影に怯えながらも、愛の勝利を願っている。一方アバリスは王家を継ぐ血筋を持ったボレの息子達の存在に不安を募らせているが、改めてお互いの愛を確認しあうと希望を取り戻し「勝利よ。結婚の神よ、愛が呼んでいる」と喜びを歌う。宮廷では晩餐会が催され、ボリレとカリシスも登場しアルフィーズを賛美するが、アルフィーズは固く心を閉ざしている。そこにアバリスが乗り込んで来て「この時を楽しもう!愛の日々は翼に乗って儚く飛び去るのだから」と陽気に歌う。続いてボリレがアルフィーズに「あなたも愛して下さい」と結婚の決断を促すと、晩さん会に列席していた人々も「国民は国王選びにしびれを切らせている!」とアルフィーズに訴える。覚悟を決めたアルフィーズは「自分の希望と神の御心の妥協点として女王を退き愛に生きます!」と宣言し愛の矢をアバリスに授ける。アバリスは歓喜にふるえ「この栄誉のためには死をもいとわない!」と答えるが、その場に居合わせた人々は驚愕し、ボレの息子達はそれぞれに王位を主張する。アルフィーズの窮地を目の当たりにしたアバリスは、自分の為に身分を捨てさせてはいけないと思い直し「愛よりも王位を優先してください」と懇願する。しかしアルフィーズの決意は固く自分の栄光はアバリスを愛することだと告げる。一方侮辱されたボレの息子達は復讐の為に、父であり風の神であるボレにこの結婚を罰するように訴える。するとボレの怒りは嵐となって猛威を振い、台地は揺れ足元は崩れだす。アバリスは「怒りは私だけに!」と叫ぶが、アルフィーズはボレの息子達によって連れ去られてしまう。
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