第1幕
 スコットランドの荒地、魔女たちが呪文を唱えながら踊っているところへ、マクベスとバンコが通りかかる。魔女たちはマクベスにコーダーの領主になり、スコットランド王になるといい、バンコには王の父親になると予言して消える。そのとき使者がやって来て、マクベスがコーダーの領主になったと告げられ、2人は魔女たちの予言どおりになったのに驚く。マクベスの心には、王への野心がむらむらと燃え盛る。
 マクベスの居城の一室、マクベス夫人が夫からの手紙で、魔女たちの予言のことを知り、自らも王位への野心に燃え、アリア「野望に満ちて」をうたう。召し使いが今夜国王ダンカンがここに泊まると知らせるので、国王殺害のチャンスと夫人は、「立て、地獄の司よ」のカヴァレッタをうたう。そして帰って来たマクベスに、今夜短剣で王を殺せと夫人はそそのかす。夜になるとマクベスの前に、短剣の幻影が浮かぶ。モノローグ「短剣が目の前に」。マクベスは、すばやく王の寝室に入る。やがて血のついた短剣を手に、出て来たマクベスは、妻に殺人の恐ろしい光景を語る。二重唱「宿命的な妻よ」。夫人はマクベスを励まし、酔いつぶれている衛兵に、血をなすり付けて2人は逃げ去る。翌朝マクダフとバンコが王の寝室で、惨殺された王の死骸を発見する。急いで駆けつけた人々は、余りのことに狼狽して大コンチェルタート、「地獄よ口をあけろ」と、神に殺人者を罰するようにと叫ぶが、マクベス夫妻も何食わぬ顔でそれに和する。
(C) 出谷 啓
第2幕へ
もどる
オペラ名曲辞典TOP