【あらすじ】
あらすじ:時と場所1721年フランス
第1幕 アミアンの宿屋の中庭
老貴族のギョーとその愛人である3人の女優、放蕩仲間の貴族ブレティニが宿の食事を待ちかねて文句を言っているところから物語は始まる。やっと運ばれたごちそうに、5人は喜んで宿に入って行く。一方宿の外では駅馬車到着を待つ人々でにぎわっている。そこに近衛士官のレスコーが現れて、駅馬車でやって来るはずの従妹のマノンを待っている。やがて駅馬車が到着し、人々がごった返す中、マノンが降りてくる。居合わせた人々はマノンの美しさに目を見張る。従妹とは初対面のレスコーもその美しさに息をのむ。マノンは初めての長旅の興奮を夢見がちにアリア「私はまだぼんやりしています。」で歌う。親の命令で修道女にさせられること、旅の途中で見聞きした華やかな世界への憧れを語るこの最初のアリアで、若干15才の初々しい恥じらいと慎みの中に、享楽的なものに惹かれるマノンの本性が窺える。レスコーがマノンの荷物を取りに行っている間に、老貴族のギョーがさっそくマノンの美しさに目をとめ、財力をちらつかせて口説きに近づいて来る。荷物を持って戻って来たレスコーは事の成り行きを察して「身持ちを固くしなさい!」とお説教をするが、自分は賭博に行ってしまう。再び一人残されたマノンは「修道女になるのだから、夢みるのはもうお終いよ。」と歌い華やかな世界を諦めようとしている。そこに親元に帰るために馬車を待っているデ・グリューが登場する。マノンを一目見るなりその美貌の虜になってしまう。身の上を嘆くマノンに同情する若く魅力的なデ・グリューにマノンも惹かれる。二人はたちまちの内に恋に落ち、情熱的な愛のデュエットを歌い上げる。「二人きりでパリで暮らそう!」とギョーがマノンために用意した馬車に乗ってマノンとデ・グリューは逃亡してしまう。酔っぱらって戻ったレスコーとマノンを探しに来たギョーは、マノンが若い男とギョーの馬車に乗って行ってしまった事を町の人々から聞かされる。公衆の面前で恥をかいたギョーは復讐を誓う。
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