第3幕
第1場ラ・レーヌ通りの祭日
人々はラ・レーヌ通りでの祭りを楽しんでいる。3人の女優のプセット、ジャヴォット、ロゼットはパトロンのギョーの目を盗み、若い男たちと浮かれている。ギョーは今マノンと暮らすブレティニにマノンの要求通り自宅にオペラ座を呼べないようでは、いずれマノンに捨てられると嫌味をいっている。そんな中、贅沢と人々の称賛によって一層磨きあげられた輝くばかりのマノンがアリア「私はどんな道も女王のように歩く」を歌いながら登場する。そこへデ・グリューの父親が通りかかりブレティニと挨拶をかわす。デ・グリュー伯爵は、息子はすっかり失恋の傷も癒え、サン・シュルピス神学校で信仰生活を送っていると話す。その話を聞いたマノンにたちまちデ・グリューへの熱い想いが蘇る。そうとは知らないギョーは、ブレニティの鼻をあかして、マノンの気を惹こうと、祭りにオペラ座を呼んでくる。いよいよオペラ座のバレエが繰り広げられるがマノンの心はすでにデ・グリューのことで一杯である。ギョーのもくろみは見事に外れ、マノンは礼も言わずにデ・グリューのいるサン・シェルピス神学校へと再びギョーの馬車を走らせる。
第2場サン・シュルピス神学校
尼僧や信者達がデ・グリューの説教を褒め称えている。デ・グリュー伯爵は息子に身持ちの固い女性と結婚することをすすめ、聖職に就くことを断念させようと説得するが、デ・グリューの決心は固い。仕方なく貧しい息子にせめて財産を分け与える事を約束して伯爵は別れを告げる。デ・グリューはマノンとの辛い思い出を忘れるために聖職に救いを求めていた。未だ癒えぬ苦しい胸の内を「去れ!甘美な面影」で歌う。デ・グリューが礼拝堂に去ったあとにマノンが到着する。デ・グリューとの面会を待つ間も彼の愛が戻るように神に祈りを捧げる。面会室に入ってきたデ・グリューはマノンの姿をみて驚き「お帰りください!」と何度も叫ぶが、マノンは諦めない。心から自分の行いを悔い、許しを乞う。マノンの激しい情熱に揺れるデ・グリュー。マノンは彼の手を握り甘く歌う「この手を握りしめているのは、もう私の手ではないのですか?」と。鐘の音が鳴り、職務に戻ろうと葛藤するデ・グリューであったが、マノンを思い切ることなど出来るはずもなく、再び二人の愛、マノンへの愛を高らかに歌い上げる。
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