第3景/リーディンガー邸
ルーテル派の富豪リーディンガーの屋敷では、人々が大切な書物を隠しているが、やって来た大司教の顧問官であるカピトに見つかり、書物はどんどんと外へ運び出されていく。広場では焚書がなされ、次々とルーテル派に関する書物が焼かれる。そんな中、カピトが宗教改革者ルターからの手紙を発見。中には聖職者も結婚すべきとあり、まずは大司教が前例を作るようにと記されていた。人々はそれに同意し、早速リーディンガーが娘のウルズラに「大司教の結婚相手になりなさい」と命じるが、彼女は画家のマティスを愛していたので、すぐに彼に救いを求めた。しかしマティスは「私は農民戦争に参加する身なので、貴女といることはできない…」と返事をし、それでもウルズラを愛しているので、彼女をきつく抱き締め去って行った。ウルズラは絶望し、父親の命に従い大司教と結婚することを決意した。
第4景/マインツ近郊の村
村は農民たちの攻撃で荒れ果て、ヘルフェンシュタイン伯爵とその夫人が、農民たちにより城から引きずり出されて来る。彼らは伯爵を処刑し、その後伯爵夫人にも襲いかかろうとしたが、そこへ現れた画家マティスは「こんなことを目的とした戦いではないはずだ!」と伯爵夫人を庇い、農民たちに殴られてしまう。そこへ農民頭のハンスが娘レギーナと共に現れ、皆を諌めマティスを救い出す。
その後攻めてきた連邦軍との戦いでハンスは戦死し、マティスも軍士官のジルヴェスターに捕えられそうになるが、伯爵夫人が「彼は命の恩人です」とマティスを助け、マティスはハンスの娘レギーナを連れその場を逃げ出した。
第5景/アルブレヒト大司教邸
大司教の顧問官であるカピトが必死で大司教に結婚を勧め、その相手としてリーディンガーの娘ウルズラを連れて来る。大司教は驚き「貴女がこんなくだらない取り引きを受け入れるなんて…」と彼女を責めたが、ウルズラは自分が結婚することで大司教の真の信仰を皆に示し、今こそ人々の争いを鎮めてほしいと訴えた。彼女の言葉に感銘した大司教は全てを手放す覚悟をし、結婚も断ると、聖職者としてあるべき本当の姿で生活を送ることを決意する。
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