【あらすじ】
時と場所 19世紀初期、ウクライナ、ディカーニカの村
第1幕 村の通り
村はルサールカとよばれる聖霊降臨の週で、種まきの時である。夕暮れの中、作業を終えた若者達が「私達はキビを蒔いた」と歌い、ロンドを踊っている。コサックの若者レフコは村長の息子で、恋人ハンナの家の窓に向かいバドゥーラを弾きながら「日が傾いて夕べは近い、出ておいで僕の恋しい人」とルベーツ民謡をもとにした愛の歌を歌う。レフコが歌い終わってその場を去ろうとすると、まだ17才のハンナは人目を気にしながら戸口に現れる。恋人達は冗談を言い合い「私の自慢の貴女」と愛の二重唱を切せつと歌う。ハンナはレフコに何度となく、湖の対岸にある「見捨てられたた領主の館の物語」を聞かせてくれとせがんでいた。レフコはハンナが怖がるからと躊躇していたが、今日は話して聞かせることにする。 昔、妻を亡くしたコサックの領主が、残された一人娘パンノチカと暮らしていた。やがて領主は再婚するが、二度目の妻は魔女であった。継母となった魔女は娘を家から追い出すよう領主を説得する。絶望した娘は湖に身を投げて、ルサールカ(水の精)になってしまう。娘の悲劇に同情した湖のルサールカ達は力を合わせ、魔女を湖に引きずり込もうとするが、魔女は自らルサールカに姿を変えて精霊の中に紛れ込み、復讐から逃れ続けていると言うのであった。 話が終わりレフコとハンナが別れると、乙女達が登場し、伝統の歌と踊りで聖霊降臨を祝う。村の酔っ払いカレニクもやって来て踊りに加わり、ゴパックを踊ろうとするが足もとがふらつくので上手く踊れない。カレニクは村長に悪態をつき、帰り道も分からなくなっている。乙女達は面白がってカレニクを村長の家の前に連れて行き、帰ったと見せかけ様子を窺っている。すると村長が出てきて事もあろうにハンナの家に向かう。息子の恋人にも拘わらず老いた村長は若いハンナに魅かれていたのであった。それを知ったレコフは激怒し「こんな時間に誰がハンナのドアをたたくのか?」とハンナ、村長とともに三重唱を歌う。レフコは村長を笑い者にしてやろうと決め、仲間を連れてハンナの家に駆け付けると、ハンナと間違えたふりをして村長にキスをしながら「さよならハンナ!」と叫ぶ。そして村長を茶化した歌を大声で歌う。村長は散々な目にあい逃げ出して行く。
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