第2幕 第1場/カリフの宮殿の広間
 宮廷の人々がカリフを讃え歌っている所へ、カリフの娘レツィアが現れる。レツィアは広間でアラビア人に扮したヒュオンを見付け、婚約者のバーべカンではなくヒュオンに近付いて行くので、カリフは「不審者だ!捕えよ!」と兵士たちに命じ、バーべカンもヒュオンに襲いかかる。ところがバーべカンはあっけなくヒュオンに負かされ、兵士たちも宮廷の人々も魔法の角笛の威力で動けなくなってしまう。その隙にヒュオンとレツィアは宮殿を抜け出し、ヒュオンの従者シュラスミンもレツィアの侍女ファティーメにキスをして彼女の魔法を解くと、手を取り合ってヒュオンたちに続いた。
第2場/宮殿の裏庭
 裏庭まで逃げて来た四人の元に妖精王オべロンが現れ、ギリシャへと向かう船を出してくれる。シュラスミンの求愛を快く受け入れた侍女のファティーメも一緒に船に乗りこみ、四人は四重唱「紺碧の波を越え Uber die blauen Wogen」を歌いながら希望に胸を膨らませる。
第3場/海岸
 精霊パックが現れ「空気の精、大地の精、海の精よ!」と唱えると、嵐が起きて四人の乗った船は座礁してしまう。海岸に打ち上げられ目を覚ましたレツィアは、食料を探しに行くと言うヒュオンを見送ると「海よ!巨大なる怪物よ! Ozean,du Ungeheuer!」と歌って不運を嘆く。すると沖から船がやって来るのが見えたので、レツィアは必死に手を振り助けを求めたが、やって来たのは海賊船でレツィアは船長のアブダラに捕えられ連れ去られてしまう。戻ったヒュオンも倒され意識を失ったが、オべロン王が現れ「ヒュオンは7日後にチェニスで目覚めさせよ」とパックに命じる。そんな状況とは裏腹に、海では人魚や妖精たちが楽しそうに歌っていた。
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