【あらすじ】あらすじ
第1幕 ルッカの田舎の村
ナポレオンの妹アンナ・エリーザの宮廷では、評判の名ヴァイオリニスト、パガニーニの演奏会準備が進められている。一方パガニーニは田舎の旅籠でヴァイオリンの練習をしていた。そこに狩りの一行を連れて通りかかったエリーザ侯爵夫人は、聞こえてくるヴァイオリンの音色に魅せられ、同じ旅籠で昼食をとるといいだす。こぼれるメロディーに誘われて、村人たちも集まって来ると「パガニーニは悪魔に魂を売って、あの音色を手に入れた」とか「女を巡ってスペインの貴族を刺し殺し、三年も牢屋に入っていた」とか物騒な噂話に花を咲かせる。練習を終えて部屋から出てきたパガニーニは、聴衆の中にひと際美しい貴婦人エリーザを見つけ「魅力的なご婦人に乾杯!」と歌い、早速口説きだす。エリーザがパガニーニのヴァイオリンを絶賛すると、パガニーニは「あなたは僕に誇りと幸福を与える」と熱い二重唱になり、二人は恋に落ちる。そこにパガニーニのマネージャーを務めるバルトゥッチが現れ、「パガニーニの悪い噂を聞いた侯爵が、演奏会を中止にした」と報告に来る。パガニーニは「聞きたくないのなら、演奏会などこちらから願い下げだ」と憤慨する。まだ身分を明かしていないエリーザが「侯爵夫人に頼んで取り成してもらいましょう」となだめるが、応じずに去っていく。残されたエリーザは「抗えない魅力を持つ男」と激しい恋心を歌う。気分が落ち着いたパガニーニはエリーザに非礼を詫び、二人きりでまた会おうと誘う。そこへ村の教師が子供たちの歌を侯爵夫人に聞かせたいと申し出るので、パガニーニはエリーザが伯爵夫人である事を知る。一方愛人のベッラと乗馬を楽しんでいたエリーザの夫バッキオッキ侯爵が、先に一行と合流していたベッラを追って登場する。パガニーニが「音楽会はお断りする」と挑戦的な挨拶をすると、侯爵は「私が音楽会を中止したのだ」と対抗する。割って入ったエリーザは、夫に、改めてパガニーニの音楽会出演を依頼させた。つまり、ナポレオンの妹であるエリーザが実際の公務執行権を握っているのである。皆が昼食に行き、二人きりになったエリーザとパガニーニは「愛する唯一人のあなた」と愛の讃歌を歌い、熱い口づけを交わす。
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