<第2幕>丘の上の円柱
かつて夫ユリッスと散策した海岸を見降ろす丘の上には円柱があった。円柱は遥か海の彼方からも見えるでしょうと、ペネロプは「何処かで苦難に立ち向かっているユリッス様にも見えますように」と祈りを込めて、毎晩バラを飾っているのだった。そしてユリッス王を慕う老羊飼いユメと仲間達も王の帰還を共に祈っていた。月明かりの中、明日に迫った結婚式をどうしたらよいかと思い悩むペネロプに、後をついて来た物乞いの男は「ユリッス王をクレタ島にある自分の家に匿ったことがある」とペネロプに告げ、ユリッス王の様子を話して聞かせる。ペネロプは「10年以上も帰らない夫には他に守るべき生活あって、もう帰還を諦めるべきなのではないでしょうか」と苦しい胸の内を話す。男はペネロプにそんな心配は無用だと励まし、求婚者から夫を選び出す方法として「ユリッス王の大弓を引くことが出来た者と結婚しなさい」と助言する。ペネロプが宮殿に戻ると、男は昔から忠義を尽くす老羊飼いユメと仲間達に正体を明かす。そして明日行われるペネロプの結婚式での計略を打ち明け、協力してくれるように頼む。
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