【あらすじ】時と所:18世紀・ぺルーのリマ
第1幕/リマの街中
 リマの街中の広場では、総督命名日のお祝いで多くの人々が飲めや歌えと大騒ぎしている。キャバレー「3人いとこ」のグァダレーナ、ベルギネッラ、マストリッラも「3人いとこの歌 “私たちはお客様に迅速なサービスを致します” Chanson des trois cousines “Promptes a servir la pratique”」と歌い場を盛り上げる。総督のドン・アンドレスは、医者の姿に変装し民衆に紛れて一緒に歌うが、周りの皆にはすっかり正体がバレている様子。そのうち街の物売りに扮した、リマ長官のドン・ペドロやパナテッラス伯爵が寄って来て派手に祝うので、お忍びのつもりで来ていたドン・アンドレスは、どうにも居づらくなりすっとその場から姿を消した。
 多くの大道芸人たちが芸を披露する中、恋人同士の歌手ぺリコールとピキロも「スペイン男とインディアン娘 L'Espagnol et la jeune Indienne」と歌を歌うが、お金は思うように集まらない。そのうち若い娘のぺリコールは空腹の余りその場で休みだし、恋人のピキロはお金の貰えそうな所を一人で探し回った。いつの間にかすっかり眠り込んでしまったぺリコールの側を、総督のドン・アンドレスが通りかかり、ぺリコールの美しさに心を奪われると「宮廷に来ないか?」と彼女を誘った。ぺリコールは贅沢な暮らしに目が眩み、ピキロに別れの手紙を書くと、そのまま総督についていってしまう。突然の手紙に失望し、自らの命を絶とうとしたピキロの元に、パナテッラス伯爵がやってきて「そんなことをするくらいなら総督の妾と形だけの結婚をして、何不自由のない生活をしてみないか?」と持ち掛けた。ピキロがこれを断ると、パナテッラスはピキロをキャバレーへ連れて行き、酒を飲ませ、公証人に伴われた花嫁姿の妾と引き合わせて、勝手に結婚式を挙げてしまう。その花嫁はぺリコールだった。花婿の顔を見たぺリコールは、相手がピキロであることに胸を撫で下ろすが、すっかり酔っ払ったピキロは、顔を覆ったヴェールのせいで、相手がぺリコールとは気付かず「私には愛する人がいます!」と言う。式が終わると花嫁のぺリコールは総督と共に宮廷に入り、ピキロも続いて宮廷へと入っていく。

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