【あらすじ】
第1幕
サウス・カロライナ州チャールストンの河岸、通称「なまず横丁」。いきなりピアノがグルーミーな「ジャズボ・ブラウン・ブルース」を弾き始めるが、これはなまず横丁の夜の生活を描いたナンバーである。そして漁師のジェイクの若妻クララが、赤ん坊を寝かせるために子守歌をうたうが、これが今ではジャズのスタンダード・ナンバーとしても知られる「サマータイム」である。「夏になったよ、暮らしは楽だよ。父さんは金持ちで、母さんは美人」ジェイクを始めロビンス、それに麻薬の売人でチンピラのスポーティン・ライフが、ギャンブルに興じているところへ、足の悪いポーギーがヤギの引く車に乗って登場。彼はならず者クラウンの情婦ベスに、密かな恋心を抱いている。やがてクラウンとロビンスのあいだで、賭博上のいさかいが起き、ロビンスはクラウンに殺されてしまう。ロビンスはベスにせき立てられて、現場から逃亡するが、後に残されたベスは誰にもかくまって貰えない。警官が駆けつけたとき、ベスを自分の小屋に隠してくれたのはポーギーだった。
ロビンスの遺体のそばに、葬儀の費用調達のための小皿が置かれている。会葬者は聖歌をうたいながら、献金して行く。そこへ白人の刑事と警官がやって来て、真犯人はクラウンだという証言も聞かずに、蜂蜜売りのピーターを連行して行く。残されたロビンスの妻セリーナは、「あの人は逝ってしまった、あの人の疲れた足音が、階段を上がってくるのももう聞けない。」と、これも有名なアリアをうたう。葬儀屋があらわれて、集められた有り合わせの金額で、埋葬を承諾するというので、一同は喜んで「約束の国への汽車に乗ろう」と、リズムの弾む霊歌をうたっているうちに幕は下りる。
(C) 出谷 啓
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