<2幕>
第1場ポロヴェッツ軍の野営地、晩
ロシア軍は戦いに敗れ、イーゴリ公と息子のウラディーミルは、ポロヴェッツ軍の虜囚になった。コンチャック汗の配慮から、二人は手厚くもてなされていた。ポロヴェッツの娘たちの踊りが始まる。コンチャック汗の娘コンチャコヴナが踊りを止めさせ、愛しい人を待ち続ける思いを歌う。恋焦がれて歌うエキゾチックなカヴァティーナ〈暗い夜はとばりをひろげ〉(Merknet svet dnevnoj)。イーゴリ公の息子ウラディーミルが、相愛のコンチャコヴナ(敵の将軍の娘)への愛の気持ちを歌うセレナード<Ach!Gde ty,gde?>。二人は人目を盗んで会い、お互い敵軍であるため結婚が叶わない運命を嘆く。イーゴリ公は捕虜になった自分の苦しみを嘆く。アリア<疲れ果てた心には眠りも安らぎもなく>(Ni sna,ni otdycha izmucennoj duse)。そこにポロヴェッツ軍の兵士の一人オヴルールが現われ、イーゴリに逃亡を勧める。しかしイーゴリは不名誉になる行動は出来ないと拒否するが、他になすすべもなく気持ちは揺れ動く。コンチャック汗は、イーゴリ公の強靭な闘志と人柄に心を打たれて敬意を抱く。彼はイーゴリに「ロシアを捨て一緒に同盟を結ぼう」と誘う。〈調子はどうだ、公よ〉(Zdorov-li knjaz'?)。しかしイーゴリは断った。コンチャック汗は、決意の固いイーゴリの心を引き付けるため、女の奴隷たちに踊りを命じた。これが有名な合唱とダンスの場面〈ポロヴェッツ人の踊り〉<Uletaj na kryl'jach vetra>次第に男たちの踊りへと盛り上がり、最後はコンチャック汗を讃える大合唱と発展する。
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