第4幕 ラテラーノ教会前の広場
市民たちは、貴族との戦いで強いられた犠牲と、未だ平和を取り戻すことができないリエンツィに不満を抱き始めている。一方貴族の勢力奪還の策略は着々と進められていた。貴族は、かねがねローマの統治権を主張するドイツ皇帝に、ローマは危険なほど力を持っていると密告し、一方ローマ法王には、ローマが異教徒に支配されていると思いこませていた。感謝祭の祈りを捧げるために教会に集う市民。リエンツィとイレーネも現れる。愛するイレーネの姿を見て、アドリアーノのリエンツィ暗殺の決意は揺らぐ。リエンツィは市民に演説をして、教会への階段をのぼり始める。その時突然ライモンド枢機卿が立ちはだかり、リエンツィ追放を宣言すると教会の扉は閉ざされる。リエンツィは驚き、市民は予想だにしなかった教会の態度に怖れ、去って行く。ただリエンツィとイレーネ、アドリアーノの三人が残される。アドリアーノはリエンツィに、もはやは完全に失権したことを告げ、イレーネには自らの元へ来るように説得するが、イレーネは兄の元を去ろうとせず、アドリアーノは一人立ち去る。
第5幕
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