【あらすじ】
時と所:伝説の時代・キエフ国及び魔法の国
<プロローグ>
フィナーレと同じ旋律が使われた壮大な序曲。しばしば単独で演奏される程親しまれている名曲。
<第1幕>/スヴェトザールの宮殿
宮殿の大広間で、キエフ国大公スヴェトザールの娘リュドミーラと、キエフの騎士であるルスランの結婚を祝う宴が開かれていた。招待客の中には、リュドミーラへの求婚が叶わなかったハザール国王子のラトミールや、ワリャーグ国王子のファルラフの姿もあった。
宴もたけなわとなったところで、吟遊詩人バヤンが竪琴を手に歌い出す。「幸せの後には不幸がやってくる!新郎の運命も悲しみに脅かされる..」縁起の悪い内容に、スヴェトザール大公は少々ご立腹だったが、バヤンは構わず歌い続ける。「けれど大きな愛の力に護られた2人に、幸せは再び訪れる!」大公はそれを聞き満足げに客達と乾杯をする。最後にバヤンが「北の国の若者が幸せな2人の話を歌い、語り継いでいくだろう。」と歌うと、皆は万歳と合唱した。(最後の歌は作曲者グリンカが、決闘で命を落とした原作者プーシキンに向けた追悼歌と言われている)続いて花嫁であるリュドミーラが父親との別れを悲しむ歌を切々と歌い上げ、最後には花婿ルスランとの二重唱、そして皆との大合唱へと広がっていった。
するとその時、突然激しい雷が鳴り響き辺りが真っ暗になった。暗闇の中皆が息を呑んでいると、次第に明るさは戻ったが、花嫁リュドミーラの姿が忽然と消えていた。大公は慌てふためき、リュドミーラを取り戻した者に娘と国半分の領土を与えると申し渡した。花婿ルスランは勿論のこと、かつての求婚者であるラトミールやファルラフもまた、チャンスが巡って来たとばかりにリュドミーラを探しにいくことにした。リュドミーラは、邪悪な魔法使いチェルノモールに連れ去られていたのだ。
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