第2幕
パレスチナのソクレ渓谷にあるデリラの隠れ家。夕暮れどき、デリラが家の前できっとサムソンがやってくると確信して待っている。「恋よ、弱き我に力を添えよ」と歌い、彼女が夢見るのはサムソンが鎖でつながれた姿。そこへ大僧正が現れ、サムソンの弱点を聞き出せれば、欲しいだけの富をやると持ちかける。しかしデリラは金には興味を示さない。純粋な復讐心に燃える彼女は、大僧正とサムソンを倒すことを互いに誓う。そこへサムソンが妖しい魅力にひかれて来た。しかし彼の心はいまだに揺れている。戸口で思い直して帰ろうとするが、そのときデリラが家の中から走り出て抱きつき口説く。サムソンの心をしっかり掴んだデリラは「あなたの声に私の心は開く」と歌う。さらにデリラは言葉巧みにサムソンの怪力の源を聞き出そうとするが、サムソンは答えない。デリラは「どうしても言えないなら本当の愛はないのだ」と絶叫して家の中に駆け込む。サムソンはしばしためらった後、意を決してデリラの後を追って家の中に入る。デリラの合図で、ペリシテの兵士達が密かに家を包囲してサムソンを捕らえる。
つづく
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