【あらすじ】
時と所:19世紀。イギリスのロンドン郊外。
第1幕
ある貴族から身寄りのない近親者である姉弟の世話を依頼された女家庭教師は、姉のフローラ、弟のマイルズと初めて会うなりすっかり打ち解け、2人に強い愛情を持つようになる。ところが彼らの住むこの屋敷には男女2人の不気味な亡霊が現れ、子供達を自分達の世界へと誘い込もうとしていた。子供達と同様にその亡霊が見える女教師は、その正体を同じく世話役である家政婦のグロース婦人に訊ねる。何でも男の方は昔この屋敷の下男をしていたクイントという男で、当時の家庭教師であったもう1人の亡霊ジェッスル嬢とは恋仲だったらしい。クイントは凍った路で足を滑らせ命を落とし、ジェッスル嬢もその後亡くなったという。しかしクイントは生前こともあろうか少年マイルズをもその手中に収め、ジェッスル嬢のフローラに対する溺愛ぶりも尋常ではなかった。(ジェッスル嬢がマイルズに手を出したクイントを殺害し、自らも自害したことが死因ともいわれる。)この恐ろしい事態を依頼主である貴族にも伝えたいところだが、彼に対する恋心からか「面倒を知らせる手紙はよこすな」というこの男に女教師は知らせることをためらった。そして自分達の力で何とか2人を助けようと、亡霊との戦いを決意する。
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