第2幕
第1場/マハゴニーへ通じる道(背景に地図が出て、ハリケーンの進路を示す矢印が映し出される)
道で若い男女が待機している。「ハリケーンは120マイルで進み、アツェナを壊滅状態にした」との放送が入り、「ペンサコラでは膨大な死者が出た。ハリケーンはマハゴニーへと向かっている」と続く。しかしハリケーンの進路を示す矢印がマハゴニーに到達する直前に進路を変え、街は助かる。人々は歓喜し、この先は益々勝手気ままに自由に生きて行こうと誓う。
第2場/1年後のマハゴニー「巨大ハリケーン後、マハゴニーは大盛況」(背景には無声映画で、貧しい町が金鉱により大発展を遂げる映像が流れる)
男たちが「最初は食べること。第二に性欲を満たし、第三は拳闘、第四は酒だ!」と歌う。背景に「食事」と出ると、男たちは沢山の肉を食べ出す。大食漢となった樵のジャックは、仔牛を2頭食べた後3頭目を食べながら死んでしまう。男たちは「恐れ知らずの男! A man without fear!」と歌うと、ジャックの幸せそうな死に顔を見ながら「鱈腹食べて死んだんだから本望だろう」と言う。
第3場/売春宿の一室(背景には「愛」の文字と、いかがわしい写真が映し出される)
売春宿「マンデレイ」の一室ではべグビックが客を取り、男たちが代わる代わる出入りしている。その度に明かりが点いたり消えたりする中、外で列を成している男たちは「早くしてくれ!」と合唱する。別の部屋ではジェニーとジムが愛し合っている。「最初は食べること。第二に性欲を満たし…」とマハゴニーの教訓の歌を歌いながら、男たちが宿の前を通り過ぎて行く。
第4場/ボクシングのリング「ボクシング」
通称アラスカ狼のジョーが、三位一体のモーゼスとボクシングの試合をすることになった。本人のジョーとジム以外は全員モーゼスに金を賭け、案の定ジョーはモーゼスに殴り殺されてしまう。人々は笑いながらその場を去って行き、その前を男たちが教訓の歌を歌いながら通り過ぎて行く。
第5場/酒場「酒飲み」
酒場でジェニーとビルを相手にビリヤードをしていたジムは、気前よく酒場にいる皆に酒を奢ると言い、べグビックにどんどん酒を持って来させた。しかしジムは一文無し。彼はジェニーとビルにそっと耳打ちし「ビリヤード台を使った寸劇で、何とかこの場をごまかせないか」と持ち掛けると、3人は台の上に乗った。背景に大海原が現れ、台を舟に見立てた3人は嵐に巻き込まれた振りをする。周りの男たちは口笛や声色で嵐の効果音を作り出した。最後にアラスカに漂流出来たと、3人はその場を離れて行こうとするが、モーゼスは騙されることなくジムをその場で捕まえた。ジムはジェニーやビルにも助けてはもらえず、酒場はまた何事も無かったかのように酒飲みたちで盛り上がる。
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