【あらすじ】
時と場所:1402年、アナトリアにあるビチュニアの首都プールサ(ブルサ)
第1幕 タメルラーノの宮殿
第1場 タタールの帝王タメルラーノとの戦いに敗れ、捕えられたトルコの皇帝バヤゼットが牢獄から解放される。ギリシャの王子アンドロニコが登場し、タメルラーノの恩赦によって解放された事を知らせると、誇り高きバヤゼットは「タメルラーノの施しを受けるくらいならいっそ死を!」と憤るが、娘アステリアの身を案じ思いとどまる。
第2〜3場  タメルラーノがアンドロニコを呼び「バヤゼットの娘アステリアに恋をしてしまったので仲を取り持つように!」と命じる。アステリアと愛し合うアンドロニコは愕然とするが、褒美としてギリシャの統治権を返還し、婚約者トレビゾンドの王女イレーネをやる言う条件に戸惑い「ギリシャの王子として、国の平和のために愛するアステリアを裏切らなければならない」と苦悩する。
第4〜5場  タメルラーノは早速アステリアのもとを訪れ、アンドロニコの働きで婚約が成立したと伝える。動揺するアステリアに苛立つタメルラーノは「結婚を拒めば父バヤゼットの命も祖国の平和もない」と迫る。アステリアは「もう彼が私を愛していないなら、私の心を返して」と歌い恋人の裏切りに絶望する。
第6〜7場 一方アステリアの婚約を知らされたバヤゼットは激怒し「敵が天地を味方につけようとも、死を恐れはしない!」と歌い、タメルラーノから与えられる自由もトルコの平和も拒絶する。
第8場 トレビゾンドのイレーネ王女がタメルラーノの宮殿に到着し、アンドロニコが出迎える。事情を知らされたイレーネがタメルラーノの不実を嘆くので、アンドロニコは「侍女に扮してタメルラーノを戒めなさい」と入れ知恵をする。イレーネは「私を捨てる愚か者を悪の誘惑から救い出そう!」と歌う。
第9場 本心を欺き祖国とバヤゼットを守るために奔走するアンドロニコは、愛するアステリアから見捨てられてしまったと嘆き「愛する人が私を軽蔑しても、私の愛は揺るがない!」と歌う。

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