第2幕 第1場/ロンドンのトムの家
 豪邸に住みながらの贅沢な生活に飽きてきたトムが、今度は幸せが欲しいと言い出すと、ニック・シャドウはサーカスの人気者であるトルコ女ババとの結婚を勧めた。彼女に見つめられたら、たとえどんなに強い兵士でも気を失ってしまい、その能力は医者の保証付きだと言う。さすがに結婚まではと躊躇するトムに、ニックは「若いうちは本能の赴くまま自由に過ごせばいいのです。道徳的な振舞いなど年を取ってからで充分..」と言い、トムは結婚を承諾する。
第2場/トムの家の前
 トムとババの結婚式当日。家の前で輿入れの乗り物から降りて来たトムの目の前に、恋人のアンが現れた。驚きうろたえるトムはアンに帰るよう言うが、アンは勿論聞き入れられない。その時乗り物の中から、取り残されたババの「いつまで待たせるの?」と言う苛立つ声が聞こえる。彼女は誰なのと尋ねるアンに、トムが自分の妻だと答えると、アンは絶望してその場を立ち去った。その後ババが群衆の前に姿を現し顔のヴェールを外すと、中から髭の生えた顔が出てきた。ババはファンたちの歓声の中、トムに手を引かれながら家へと入っていった。
第3場/トムの家
 トムとババは朝食を食べているが、トムはババがあまりにもうるさくしゃべり、邪険にすると暴れ出すので、うんざりしてババの顔にカツラを被せ黙らせてしまう。するとババは動かなくなり、トムもそのうち寝てしまった。トムは夢の中でニック・シャドウに石をパンに変える機械をもらい、何と起きてもその機械があったので驚く。そしてこの機械で人々を幸せにし、アンともやり直そうと決意する。ニックが機械を大量生産して事業を始めようと持ち掛けトムも喜ぶが、勿論こんな機械はインチキで、本当に石がパンに変わる訳ではなかった。

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