皇皇帝ティトゥスの慈悲
時と場所:ローマ皇帝ティトゥス・フラヴィウス・ヴェスパジャーヌス(在位79−81年)の治世下。ローマ。
あらすじ-第1幕
ローマ帝国先代皇帝の娘ヴィッテリアの部屋。彼女は現皇帝ティトゥスの妃に迎えられると思っていたが、ティトゥスはベレニスという姫を小アジアから連れてきた。怒ったヴィッテリアは自分に想いを寄せているセストゥスを利用して皇帝暗殺を計画するが、セストゥスがその陰謀をなかなか実行に移さないのでいらだっている。ところがセストゥスの友人アントニウスが現れ、皇帝は小アジアから来たベレニスをローマから去らせたと告げる。皇妃の位に就ける望みが出てきたのでヴィッテリアは喜び、暗殺計画を延期させ出ていく。その後アントニウスはセルヴィリアとの結婚の許しを、彼女の兄でもあるセストゥスに求める。
場面変わってフォロ・ロマーノ。ティトゥスの登場。皇帝はセストゥスにセルヴィリアを妻に選んだと語る。アントニウスに妹との結婚を許したばかりのセストゥスは困惑するが、アントニウスは自分の愛を犠牲にしてセルヴィリアが皇帝にふさわしい女性であると語る。アントニウスは苦しい胸のうちを隠し、セルヴィリアに皇妃に選ばれたことを告げる。だが彼女はその知らせを聞いても喜ばない。セルヴィリアはティトゥスに、自分の心はアントニウスのものであり、それでもなお皇妃に望むのなら従おうと直訴する。皇帝は彼女の気持ちを尊重する。またしても皇妃の座への望みを断ち切られたヴィッテリアは逆上し、セストゥスに皇帝殺害を促す。セストゥスは暗殺を決意して出ていく。その後ブープリウスとアントニウスが現れ、妃はヴィッテリアに決まったと知らせが届く。狼狽し、後悔するヴィッテリア。だがもはや手遅れで計画は実行され、宮殿は炎に包まれた。
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