第2幕 ジプシー
 ビスカーリャの山中、夜明け。ジプシーたちの陽気な「鍛冶屋の合唱」で幕は開く。吟遊詩人マンリコの母親で、ジプシーの老婆アズチェーナが、アリア「炎は燃えて」をうたう。ジプシーたちが山を降りた後、マンリコはアズチェーナにもっと詳しい話をとせがむ。
母親の復讐をと伯爵の息子を盗み出し、夢中で火の中へ放り込んだが、実はそれは自分の子供だったと話す。マンリコはそれでは自分は、一体誰の子なのだと反問する。するとアズチェーナは、あのときのことを思い出すと、あらぬことを口走るのだと釈明、お前は疑いもなく私の子供だと断言する。そしてアズチェーナは、決闘のときどうして伯爵を助けたのかと訊く。二重唱「彼は激しい攻撃に耐えられず」で、止めを刺そうと剣を振り上げると、傷をつけてはいけないと、天の声が聞こえたのだという。そこへ伝令が来て、マンリコが決闘で死んだものと思ったレオノーラが、今夜尼になるために修道院に入ると告げる。それを聞いた彼は、母親が止めるのも聞かず、馬に乗って山を降りて行く。
 修道院の庭。伯爵がレオノーラを奪い返そうと待ち伏せし、彼女への思いを込めたアリア、「君が微笑」をうたう。そこへレオノーラを囲んだ、尼僧の一団が通りかかる。伯爵が彼女を拉致しようとしたとき、部下を従えたマンリコが駆けつけて、抜刀して襲いかかる。レオノーラは、マンリコが生きていたのを知って、夢ではないかと狂喜する。彼女を連れ去ろうとするマンリコに、伯爵もそれを阻止しようと必死に戦うが、多勢に無勢でどうすることも出来ず、遂に愛する女性を奪われる口惜しさに、心からの復讐を誓うのであった。
(C) 出谷 啓
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