トゥーランドット
時と場所:伝説時代の中国。中国の北京。
第1幕
 北京の紫禁城前の広場。役人があらわれ、トゥーランドット姫の花婿になるには、王子であること、3つの謎を解くこと。もしその謎が解けなれば、首を切られると布告する。ペルシャの王子は謎が解けなかったので、月の出を待って処刑されるというので、群衆はプ・ティン・パオと首切り役人の名を呼びながら、宮殿をめがけて押し寄せる。それに紛れてタタールの王ティムールと、女奴隷のリュウが姿をみせる。よろめいて倒れたティムールを、駆け寄って助けたのは生き別れになっていた、ティムールの王子カラフであった。そのとき月が雲間から姿をあらわすと、人々は祈りを捧げ、トゥーランドットが宮殿のテラスを通るのがみえる。カラフはその美しさに一目惚れして、ティムールとリュウが止めるのもきかずに、自らその謎に挑戦すべく決心して、宮殿の門前にあるゴングを叩こうとする。
 すると物陰から仮面をつけた宦官のピン、ポン、パンの3人があらわれ、それを遮るように止めろ、何をする、早く帰れ、命はないぞと中国風の歌で忠告するが、カラフはそれに耳を貸そうとはしない。これまでに処刑された、各国の王子たちの亡霊が、城壁の上にさまよい出て、陰にこもった姫への恋慕の歌をうたう。だがこれを聞いたカラフは、自分だけが恋人だと宣言してひるまない。老いた父親を捨てるのかと、ティムールが必死に止めようとすると、密かにカラフを恋しているリュウが、「お聞きください王子様」と有名なアリアをうたう。それに感動したカラフは、これも有名なアリア「泣くなリュウ」をうたって、優しく彼女を慰める。ティムールとリュウは、カラフを必死になって止め、ピン、ポン、パンの3人も命を粗末にするなと止める。だがカラフは姫にこがれて、いうことを聞かない。彼はトゥーランドットの名を3回呼び、そしてゴングを勢い良く3回叩く。そして北京の市民たちの大合唱になり、カラフはうっとりとして佇み、ティムールとリュウは絶望の余り抱き合い、オーケストラの絢爛とした響きの中で幕は閉じる。
(C) 出谷 啓
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