第1幕
パレルモの中央広場。フランスの兵士たちが、酒を飲んで大騒ぎしている。占領されたシチリア人の合唱が、それに対して二重合唱になり、フランス軍対島民の対立が描かれる。そこへ前シチリア王の妹エレーナ皇女が、教会へ礼拝するために通りかかる。酒に酔ったフランス兵が、無作法にも彼女に歌を所望するが、皇女は求めに従ってうたい始め、アリア「沖合い遥か」になる。彼女の歌は島民を鼓舞して、あわやランス兵と衝突しそうになるが、鬼と恐れられている、総督のモンフォルテが姿をみせるので、人々は怯えて逃げ去ってしまう。皇女たち3人とモンフォルテだけになり、彼女たちは悲しい運命を嘆き、モンフォルテは不心得な兵士たちを嘆く、四重唱が繰り広げられる。
すると反逆の嫌疑で捕えられていた、シチリアの青年アリーゴが登場し、公正な裁判の結果釈放になったと、古くからの知り合いの皇女に報告する。総督はアリーゴと2人だけになったとき、彼に自分の部下にならないかと誘いをかける。アリーゴがそれを断ると、総督は今後皇女の館には、出入りしないようにと注意するが、アリーゴは彼女のためには、命を捨ててもかまわないといい放ち、敢然と皇女の住む館へと向かう。
(C) 出谷 啓
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