第2幕 ヴェツラルの町の教会前
大法官の友人シュミットとヨハンはお酒を飲みながら「太陽が輝く日曜日」と陽気に歌う。日曜礼拝にやって来る町の人々の中に、新婚三カ月のシャルロットとアルベールがいる。アルベールは毎日を共に過ごす幸せを歌い、シャルロットに後悔はないかと尋ねる。シャルロットは「私は幸せです」と答える。そして二人は連れ立って教会に入って行く。その頃シャルロットを忘れられないウェルテルは一人絶望にくれ、教会の外で「他人がシャルロットの夫!天使を我が手にできたなら」と〈悲痛の歌〉を歌う。すると教会から出てきたアルベールがウェルテルを見つけ、近づいて来ると「あなたの苦しみはわかります」と同情する。紳士的にふるまうアルベールに、ウェルテルは「私はもう町を出なければいけないのです」と答えるが、失望の色を隠せない。そこに礼拝の献花を持って現れたソフィーが「空は明るい光に輝き、皆幸せだ」と歌い、ウェルテルを励まそうと赤いバラを渡す。しかしウェルテルは「自分が幸せになる事はもうない!」とはねつける。ソフィーはそれでも「ダンスにお招きします」と告げ、アルベールとともに去って行く。その時、教会から出てきたシャルロットはウェルテルと再会する。ウェルテルは「最も純粋な愛が、最も罪深い愛になってしまった」と二人が出会った頃を回想し届かぬ愛を切々と歌う。心乱れるシャルロットは「アルベールは私を愛しています」と自らを懸命に律し、暫く町を離れるように言い「クリスマスにまた会いましょう」と告げ家路を急ぐ。残されたウェルテルは自殺を考え「旅から帰る時」を歌う。
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