【あらすじ】
時と所:ウィーン会議の頃(1814-1815年)のウィーン
第1幕/ツェドラウ伯爵の別邸
ロイス・シュライツ・グライツ国大使のツェドラウ伯爵は、プロイセン人で真面目な堅物人間であった。ウィーンに住む令嬢と政略結婚したものの、ウィーン気質に欠けたつまらない男と、妻は結婚後すぐに実家に帰ってしまう。ところがウィーンに住み慣れ、すっかり垢ぬけた遊び人になった伯爵は、今では妻に内緒で別荘に愛人を住まわせる程。最近では妻のガブリエーレも、粋な夫と行動を共にすることが多くなった。そんなある日、愛人で踊り子のフランツィスカの住む別邸に、伯爵の従僕ヨーゼフがやってきた。彼はウィーン会議に出席している、グライツ国首相のギンデルバッハ侯爵から、大事な書類に伯爵のサインを貰うよう命じられていた。ヨーゼフは別邸に駆け込むと、愛人のフランツィスカに伯爵はどこかと尋ねたが、もう5日も来ていないと逆に伯爵の居場所を聞かれてしまう。そこへ彼女の父で、ソーセージ職人のカグラーが現れ、いつになったら娘婿に会わせてくれるのかと娘に詰め寄った。実はカグラーは娘が愛人ではなく、伯爵の婚約者だと思っていた。続いて当の伯爵が入って来たので、フランツィスカは父親を慌てて帰し、近頃は奥様の所にばかりいると伯爵を責めた。伯爵は世間体もあるし分かっておくれと、甘い言葉でフランツィスカを丸め込む。そして書類を持ってきたヨーゼフに「今日妻と行った洋装店のお針子が気に入ったのだが、自筆で恋文は書けないので代筆をしてくれ」と別室でこっそり頼んだ。手紙には、今夜ヒーツィングの祭りに行こうとの誘いも載せた。そこへ伯爵を探しに、ギンデルバッハ侯爵がやってきた。昼間街で伯爵夫妻を見かけた侯爵は、伯爵夫人のガブリエーレを愛人だと勘違いしていた。なので顔を合わせたフランツィスカの方を伯爵夫人だと思い込み、「伯爵は踊り子と浮気をしているが、すぐに飽きて奥様のところに戻りますよ..」などと言ってしまう。それを嫌味だと思ったフランツィスカは怒りだし、部屋へ戻る。侯爵は慌ててそれを追った。そこへ最近夫が別荘に連れてこないことを怪しく思った、伯爵夫人のガブリエーレがやってきた。別荘内で伯爵と伯爵夫人、ヨーゼフ、侯爵にフランツィスカまでもが鉢合わせとなる。この女性は誰?と伯爵を問い詰めるガブリエーレとフランツィスカ。この窮地を救おうと、侯爵は伯爵夫人のガブリエーレを自分の妻だとフランツィスカに紹介し、一同は唖然となる。
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