第2幕/ビトウスキー伯爵邸の舞踏会場
<祝典ポロネーズ>が流れる華やかな舞踏会場。ウィーン会議のために集まった、ヨーロッパ各国の要人達も招かれている。ロイス・シュライツ・グライツ国大使のツェドラウ伯爵も、妻のガブリエーレと共に出席している。伯爵は「別荘にいた女性はギンデルバッハ侯爵の愛人で、彼女と別れたくて君を妻と紹介したのだ。」とガブリエーレに説明した。ガブリエーレは怪しいと思いつつも、それ以上は夫を責めず、2人は二重唱<ウィーン気質 Wiener Blut>を歌う。ガブリエーレがダンスに誘われその場を離れると、伯爵の愛人フランツィスカが近付き、別荘に来た女性は誰?と伯爵に訊ねた。伯爵は妻だと答えたが、フランツィスカは別の新しい女だろうと信じない。踊り子の彼女が、舞踏会で披露するバレエの準備で立ち去ったところに、今度は伯爵の狙っているお針子のペピが通りかかる。ペピはフランツィスカ達の踊り子の衣装を届けに来たのだ。普段仕事で別荘にも出入りしているペピは、伯爵の従僕ヨーゼフの恋人であった。既にペピの働く洋装店に恋文を届けていた伯爵は、今夜祭りの会場で待っているとペピに囁いた。ヨーゼフに仕事で祭り行きを断られ、ガッカリしていたペピは、この誘いにのることにした。その後伯爵は妻にも愛人にも祭り行きをねだられるが、妻には「仕事」、愛人には「妻と行くから」とこれを断った。2人共伯爵が別の女性と祭りへ行くのだと察し、妻のガブリエーレはギンデルバッハ侯爵を、愛人フランツィスカは従僕ヨーゼフを誘い、夜は祭りへ偵察に行くことにした。そんな中ギンデルバッハ侯爵の目の前で、ガブリエーレとフランツィスカが顔を合わせてしまう。侯爵が2人を逆の名前で紹介するので、当の2人はおかしくて仕方ない。ガブリエーレは通りかかったお針子ペピを指して、彼女が愛人なのでは?と言い出し、驚いたペピはフランツィスカが愛人だと言う。もう侯爵には誰が誰やら分からない。やって来たヨーゼフに聞いても、その後現れた伯爵に聞いても、彼らはただごまかすばかり。その時舞踏会場の屋敷の主、ビトウスキー伯爵が現れ、かつての社交界の花であったガブリエーレに「伯爵夫人..」と挨拶をするので、侯爵はようやく真実を知り、今までの勘違いに冷や汗をかいた。会場は<美しき青きドナウ>のワルツと合唱で華やかさを増していた。
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