【あらすじ】
時と場所:1733年、ブレスト近くにあるケルバール城
<第1幕>
第1場/男爵家の回廊
召使たちは、今日は王様が宿泊し、結婚式が二つもある良い日だと合唱する。当家の主、ケルバール男爵と、この男爵の娘ジュリエッタと結婚することになっている財務官ロッカが現れ、「両家の結びつきは御同慶の至り」と互いに喜び合っている。そこに、ポーランド国王(実は騎士ベルフィオーレ)が登場する。騎士ベルフィオーレは、フランス宮廷に亡命していたポーランド国王スラニスラスが王位復帰を果たすため、密かに帰国するにあたっての影武者、つまり「偽の王」となり、ここを経由しワルシャワに向かう途中だった。ここで偽の王は、自分の愛する女性(ポッジョ伯爵夫人)が今日結婚することを男爵から聞いてしまい、急遽国王に、自分を自由の身にしてくれるよう手紙を書いた。皆が立ち去ると、若者エドアルドが現れる。恋仲だったジュリエッタが、エドアルドの叔父の財務官ロッカと結婚させられる事になってしまったので、悲観したエドアルドは王様の供をして、戦場で王のために命を捨てたいと直訴する。偽の王は彼の願いを聞き届ける。二人が立ち去るとポッジョ伯爵夫人が現れ、このポーランド国王は、間違いなく恋人のベルフィオーレだと見破り、「欺かれた」と思い込む。そしてベルフィオーレの愛を試すため、イヴレア伯爵と結婚する振りをして、もし彼が本気で私を求めないなら、彼の愛は本物ではないとアリアを歌う、<恋する心には>(Grave a core innamorato)
第2場/庭園
農婦と召使たちがジュリエッタの結婚を祝うが、ジュリエッタは、愛するエドアルドと結婚できないので嘆く。ケルバール男爵と財務官ロッカが現れ、花嫁を王様に紹介せねばと言う。そこに偽の王(騎士ベルフィオーレ)がエドアルドを連れて現れ、男爵とロッカに仕事の相談を持ちかける。そしてその間、エドアルドにジュリエッタの相手をするよう命じる。二人きりになれたジュリエッタとエドアルドは大喜び。ロッカはやきもちを焼き、偽の王はわざと地図を広げて国防の議論を始め、愉快な六重唱となる。そこにポッジョ伯爵夫人が案内されてくる。ポッジョ伯爵夫人は、自分の恋人ベルフィオーレが国王と紹介されたことに驚き、混乱する。
第3場/男爵家の回廊
偽の王(騎士ベルフィオーレ)は財務官ロッカに、もしジュリエッタと結婚しないのであれば、王女と結婚させて大臣にすると提案する。するとロッカは、すぐにジュリエッタとの婚約を解消してしまう。ケルバール男爵は激怒して決闘だと騒ぐが、騒ぎにかけつけたポッジョ伯爵夫人が、それなら別の人と結婚するのが一番の復讐だと主張するので、ジュリエッタも、それでは財務官の甥のエドアルドと結婚するとけろりとして言う。
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